立川談慶さんが語る落語と酒 「登場人物はみんな下戸」

公開日: 更新日:

 それでも師匠の命令ですから断れません。かといって度数が度数ですからホンの数杯で限界。すると師匠、顔色が変わった私を見た途端に「俺んチで吐いたらクビだ」。慌てて外へ飛び出しましたよ。幸いにも敷地の境界に出たところでリバース。「吐いた的経済水域」の重要性を身に染みて理解したものです。

 昨年末に閉店した銀座のバー「美弥」も忘れられないですねえ。ここは師匠の大のお気に入り。亡くなる直前まで足しげく通っていました。でも、弟子は二つ目になるまでは店内に入れないんですよ。店が狭いってこともありますが、「身分が違う」と。師匠が「帰る」というまで外で待機してました。真冬でもね。

 2000年12月。普通5、6年のところ、9年半かかってようやく二つ目昇進が決まって、お披露目をする前の晩に「美弥」で飲んでた師匠にご挨拶に伺いました。すると「そうか、頑張ったな。フライングだ。許す」と。初めて「美弥」のカウンターでご馳走になったキリンラガービールは格別でした。

 04年に真打ち昇進を本気で考えて相談した際もお酒がありました。その時は元プロレスラーのキラー・カーンさんが歌舞伎町で経営していた居酒屋です。翌年、晴れて昇進できました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景