大高宏雄
著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

宮崎監督との違い明瞭…高畑勲監督が貫いた独自の創作姿勢

公開日:

 高畑勲監督が亡くなり、改めて思ったことがある。作品の少なさと、ひとつの定型、枠に収まらない表現への貪欲極まる強い意志である。両者は相互に絡み合っている。なかでも筆者が注目したのが、最も映画の本数が多かった1988年から1999年にかけての11年にわたる時代だ。具体的には「火垂るの墓」(88年)、「おもひでぽろぽろ」(91年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)、「ホーホケキョ となりの山田くん」(99年)の計4本。これらの作品歴を見るだけでも苦闘のあとがありありと感じられる。

 それ以降も視野に入れると、同じスタジオジブリの宮崎駿監督との違いが明瞭だ。宮崎監督は、ジブリの屋台骨を支える大ヒットが宿命づけられていた。もちろん、高畑監督への期待も強かったのだろうが、あくまで興行の結果論でいえば、その方向性へ大きく足を踏み出さなかった。


 その中で最大のヒットは、「平成狸合戦ぽんぽこ」(配収26.3億円)だ。今回、二十数年ぶりで見たが、初見以上に面白かった。環境破壊への警鐘も重要だが、観客を楽しませようと、お化けの乱舞シーンなど多彩な局面で、アニメーションの高度なテクニックを存分に駆使している点が特に見事だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    豊洲市場の事故現場は“血の海”だった…目撃者は顔面蒼白

  2. 2

    6億円&原監督のメッセージ…巨人「FA炭谷取り」真の狙い

  3. 3

    袴田吉彦と“アパ不倫”の真麻さん 新恋人との「結婚」激白

  4. 4

    「人の税金で学校」麻生大臣また舌禍で安倍政権の公約破壊

  5. 5

    元武富士ダンサーズ 大西裕貴子さんが明かす“CM撮影秘話”

  6. 6

    鼻を突く生臭さ…豊洲市場の内外で漂い始めた「腐敗臭」

  7. 7

    原巨人ため息…“陰のMVP”天敵フランスアは広島であと5年

  8. 8

    ネットに顔さらされた運転手はホリエモンを訴えられる?

  9. 9

    関根正裕×江上剛 総会屋事件対応した2人が語る今の銀行界

  10. 10

    カネだけじゃない…ソフトBが持つ最大の武器は“世界の王”

もっと見る