著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

宮崎監督との違い明瞭…高畑勲監督が貫いた独自の創作姿勢

公開日: 更新日:

 高畑勲監督が亡くなり、改めて思ったことがある。作品の少なさと、ひとつの定型、枠に収まらない表現への貪欲極まる強い意志である。両者は相互に絡み合っている。なかでも筆者が注目したのが、最も映画の本数が多かった1988年から1999年にかけての11年にわたる時代だ。具体的には「火垂るの墓」(88年)、「おもひでぽろぽろ」(91年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)、「ホーホケキョ となりの山田くん」(99年)の計4本。これらの作品歴を見るだけでも苦闘のあとがありありと感じられる。

 それ以降も視野に入れると、同じスタジオジブリの宮崎駿監督との違いが明瞭だ。宮崎監督は、ジブリの屋台骨を支える大ヒットが宿命づけられていた。もちろん、高畑監督への期待も強かったのだろうが、あくまで興行の結果論でいえば、その方向性へ大きく足を踏み出さなかった。

 その中で最大のヒットは、「平成狸合戦ぽんぽこ」(配収26.3億円)だ。今回、二十数年ぶりで見たが、初見以上に面白かった。環境破壊への警鐘も重要だが、観客を楽しませようと、お化けの乱舞シーンなど多彩な局面で、アニメーションの高度なテクニックを存分に駆使している点が特に見事だった。

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