軍歌騒動で謝罪 RADWIMPS「HINOMARU」が内包するトラウマ

公開日: 更新日:

「軍歌ではないか」といった一部の批判や意見を受け、アーティスト本人がツイッターで日本語と英語の謝罪文を投稿する事態となっている。NHK紅白歌合戦にも出場した人気バンド「RADWIMPS」の新曲「HINOMARU」がそれ。作詞を手がけたボーカルの野田洋次郎(32)が、〈HINOMARUの歌詞に関して軍歌だという人がいました。そのような意図は書いていた時も書き終わった今も1ミリもありません。ありません。誰かに対する攻撃的な思想もありません〉(原文ママ)などと謝意を示したのだ。

 今年4月に同様に物議を醸したゆずの「ガイコクジンノトモダチ」といい、4年前にリリースされた椎名林檎の「NIPPON」といい、アーティストが政治色を感じさせるような曲を発表すると、たびたび“愛国心扇動ソング”としてバッシングの嵐にさらされる。日本のアーティストの多くは海外とは異なり、政治と距離を置くスタンスだが、音楽評論家の富澤一誠氏はこういう意見だ。

「1960年代後半から70年代にかけて学園紛争の嵐が吹き荒れた当時、フォークの神様と呼ばれた岡林信康の『友よ』は反戦フォークの象徴としてデモや集会で合唱され、反体制の英雄として祭り上げられた。以降、歌と政治は関わらないという風潮が根付いたわけですが、半世紀が経ってもいまだに当時のトラウマにさいなまれている。そもそもアーティストは表現者であり、何も発信しない方がおかしい。邦楽の発展や向上させるためにもいま一度、皆で考え、議論を交わす必要があるのではないでしょうか」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」