政財界とも結びつき深く…故・浅利慶太さんの「功と罪」

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■政治家を“演出”

 一方で、劇場開設や運営の過程で、政財界との結びつきが深くなり、それを利用して劇団を躍進させたことから「政商」と批判されもした。

 政治家を「演出」したことは、ある意味「罪」といえる。72年には佐藤首相退陣のテレビ会見を提案。75年の都知事選では美濃部革新都政への対抗馬として石原慎太郎を担ぎ出した。83年のレーガン大統領・中曽根首相の日の出山荘会談では四季の小道具倉庫から持ち出した屏風やほら貝などで、友好ムードを演出した。

 2014年には週刊誌が「浅利認知症説」を報じたことから四季を退団。15年に浅利演出事務所を設立。「オンディーヌ」「思い出を売る男」など、初期の作品を演出してきた。海外大型ミュージカルと違い、いずれも演劇青年・浅利の原点ともいうべき純粋な演劇作品だ。四季ミュージカルの代表作で最後の演出となった「李香蘭」は日中戦争への深い反省と贖罪意識に貫かれていた。

「軍人とは残虐非道なものだ。もっと憎々しく演じなさい」

 浅利は関東軍の将校を演じた俳優にそう注文したという。

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