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山田勝仁演劇ジャーナリスト

On7「その頬、熱線に焼かれ」 原爆乙女の矛盾と葛藤を活写

公開日: 更新日:

 翌日に手術を控えた敏子は悩む。「やめるべきか、それとも……」

 ケロイドによって差別され、人生に絶望してきた女性たちの内面の葛藤が丁寧に描かれる。

 女性心理の微妙なヒダに分け入っていく古川の綿密な脚本。史実を参考にしたオリジナル脚本とのことだが、日澤の緻密な演出も相まって実にスリリング。

 原爆を投下したアメリカで自己再生するという被爆者の矛盾と葛藤、そしてなにより戦争の悲惨がリアルで切実なセリフを通して見事に描き出された。幽明境を異にする智子と6人の別れのシーンは鬼神も慟哭するに違いない。

 池袋・東京芸術劇場シアターウエスト(8月9日~12日)。広島・JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(15、16日) 

 ★★★★

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