うしろシティ金子学 台場まで往復40キロ歩いた下積み時代

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 だから、交通費なんてとても出せる余裕がありません。例えば、お台場のフジテレビさん。いつも芝浦ふ頭からお台場までレインボーブリッジの遊歩道を歩いて渡ってたんです。しかも、当時住んでた世田谷区桜新町から、ずっと歩きっぱなし(笑い)。

 自宅を出ると、ひたすら東へ東へと歩き、学芸大学、目黒、白金、泉岳寺を抜けて「ゆりかもめ」芝浦ふ頭駅そばの遊歩道入り口。遊歩道を1・7キロ歩くと、お台場側の出口で、そこからさらに1・5キロかかりました。多分、片道20キロぐらいはあるんじゃないですか?

 それで、収録やオーディションは電車を利用すれば、1時間前に自宅を出ても間に合うのに、最低5時間前には出発してました。ブリッジの景色は抜群。海面から55メートルの大絶景、東京湾を独り占めです。

 でも、帰りも当然、歩きですから往復約10時間、ザックリ40キロ。ほぼフルマラソンのコースを歩いてる感じでしたね(笑い)。

 もちろん交通費は実費でいただいてました。でも、その振り込みはほとんど2カ月後だったし、「歩けば生活費を稼げる」って感覚でしたから、桜新町からお台場なら往復1280円、汐留の日本テレビさんは往復860円、片道7キロほどで、一番近いNHKさんでも320円浮かせられるのは、すごい魅力でした。

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