昔も今もこれからも…舘ひろしは「終わった人」ではない
今月上旬、舘ひろし(68)がモントリオール世界映画祭で最優秀男優賞を受賞した。映画「終わった人」の演技に対して、ということだ。会見で彼は「本当なのかな。どうなってるんだと思った」と謙遜していた。
僕は別の仕事で受賞会見に行くことができなかった。でも、どうしてもお祝いの言葉を伝えたいと思い、現場にいつもついているマネジャーに連絡し、会見に行けなかったおわびと、お祝いの言葉を伝えてもらった。
すると夜になって、僕の携帯が鳴った。「いやぁ、ありがとう。思ってもいなかったよ」と、舘本人からの電話にビックリしながらも、短く会話させてもらった。
電話でもそうだし、記者会見から終始、「自分は演技派ではない」という態度だったが、僕はそうは思わない。若い頃から刑事モノが多く、アクション俳優といった立ち位置を要求され続けてきたが、「あぶない刑事」シリーズでは笑いを取る要素も多かったし、映画「免許がない!」でも大スターが初めて免許をとる役柄でコミカルな演技を開花させてみせた。
さらに、映画「義務と演技」ではセックスレス夫婦の難しい役どころをキチンと演技プランを立てて演じているように思えた。