著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

所ジョージ<前編>哲学者であり、自己流を貫き通す“求道者”

公開日: 更新日:

 ドワンゴの仲間が言うとおり、確かに看板番組やMCの仕事が多い。その理由は「長寿番組ばかり」「何か“所さん風”ともいうべき独特の味」という、他にはできない絶対的な理由があるからだ。

 30年余のテレビ屋稼業の中で、厳密な打ち合わせを神経質に要求する司会者や本番の出来が悪いと激高する演者さんも正直いた。しかし、所さんは番組の収録が終了した後でも「今日は面白かった」と絶賛したり、「今日はつまらなかった」と苦言を呈することは一切なく、飄々と帰っていく。ただ、所さんの感想は本番に表れる。面白ければ興味津々な顔をしてのぞき込み「これ……面白いねぇ」と言ってくれる。逆にイマイチなら反応は薄くなる。それが視聴者の反応と重なっていて、所さんが面白がってくれた企画(回)は評価が高い。だから所さんが満足しているかどうかが我々制作側の指針になる。とはいえ、所さんに媚びるのではない。所さんは本物と偽物、茶の間の視聴者の捉え方を瞬時に判別する能力を持っているので、全スタッフがそれに合致するように構成していけば、真っ暗闇の中で一本の懐中電灯を持っているがごとき“基準”や“安定感”や“品格”のようなものを与えてくれる。極端なもの言いをすると、所さんが喜ぶような企画や演出手法を取れば茶の間も喜ぶし、数字(視聴率)も安定し、結果的に長寿番組になるのだ。

 所さんのブレない視点は、まさに“テレビを導く哲学者”。日本テレビで言えば「世界まる見え!テレビ特捜部」「笑ってコラえて」「目がテン」などがその例だが、逆に言えば、これが合致しないと、いくら所さんの番組でも短命に終わってしまうのである。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  1. 6

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意