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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

大統領選もひっくり返すSNSのフェイク情報を取り締まれ

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 JR東日本が新幹線などでホットコーヒーの車内販売は7月からやめますと。乗車前に飲み物を買い込む客が増えたから売り上げが減ったとか。確かに、何度も買ったが、まずかったのも否めないが。北陸新幹線も弁当、サンドイッチ、おみやげの車内販売をやめる。買い込まなかったら何も食えないのか。何でも売り上げ競争。旅のお供もヘッタクレもない。ストレスと旅をさせる気か。

 でも地方に行くと「東京2020を成功させよう」とは騒いでなかったので安心した。五輪に興味がない人にはほんとに大迷惑。裏でどんなやつらが金に釣られて動いてるのか分かったもんじゃなし、経済効果も大ウソだ。オレら庶民に金は回ってこないし、庶民の暮らしに何の得もないだろう。

 終わった途端にモノは売れなくなるし、一瞬、大企業がGDP(テメエらの利益)を押し上げるだけで、ほとんどのクソ企業が貯め置く留保金に化けるだけだ。さらに不景気が襲ってくる。

 先日、大会組織委が「お触れ」まで出しやがった。競技場で観客(平気で高いチケット代を払えたやつら)がスマホで撮った動画を、ツイッターやフェイスブックやユーチューブに投稿してはならんとヌカした。チケット購入規約に「IOC五輪委の許可なく、インターネットに配信できません」とある。選手が写ってなくても撮った画像はIOCの著作権だという。高い放映料を払わされたテレビ局の権利を守ってやるためで、テレビで競技を見ないやつらも増えるからだ。でも、場内に入れた観客なら、ここ一番の動画を撮って世界中のテレビのない地域に拡散してやるぐらい、当然の義務だろ、違うか。「選手らを背景に自撮りした投稿ぐらい認めろ」と騒いでるやつもいる。飲食店のメニュー紹介のようなウソっぽく安っぽいインスタグラムに、撮ったやつらは必ず上げる。それを誰か他人がフェイクで拡散させる。逆にテレビ局に売り込まれるかもだ。アホな禁止事項だ。

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