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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

“復興五輪”はデタラメだった…もう止められないのが悔しい

公開日: 更新日:

「安物買いの銭失い」はこのGW10連休のことだ。休み果てて疲れ果てた大勢の人がロクに満足感も得られず、暗く落ちこんだ顔で会社や学校に戻っている。この不況、庶民は近場にカネをケチって行楽に出かけたが、実はロクな行楽もできず交通渋滞に疲れながら戻ってきたからだ。人のすいた都内で過ごした方がなんぼかせいせいした。

 でも、宅配便トラックやタクシーのあちこちに、「東京2020をみんなで成功させよう」ステッカーが貼られてる。なんで皆でさせなきゃならないのか? それが目に付くだけで腹が立つ。東京五輪開催には今も大反対だ。招致に絡む会長らの浅ましい買収疑惑が出たままだし、新競技場の建設では近くの住民たちや野宿者(ホームレス)が立ち退きを強制させられた。人を追い払ってまでして開かなきゃならない祭りなのか、甚だ疑問だ。

 我らの税金で賄賂を払って、誰が何の得になるのか、それがまったく分からない。都心から離れた飲み屋で山形名物のイモ煮を食いながら、店主にそう言うと、

「経済効果が出るからいいじゃないの」

 と言い返された。実は店長も五輪は人ごとにしか思ってない。

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