「地獄の黙示録」ウィラードは1945年のマッカーサーか

公開日: 更新日:

 有名なのはヘリの軍団が平和な村を襲う場面。従来の戦争映画と違って空と地上をひとつのフレームに写し込むカメラワーク、クラシック曲を響かせて殺戮(さつりく)する心理作戦の非情さが観客を圧倒した。サーフィンを楽しむために村を全滅させるとは、いかにもベトナム戦争らしい動機だ。

 ラストのカーツ暗殺は公開当時「意味不明」の声があがり、筆者もよく分からない。ただ、10年後にビデオで見て「あれっ?」と思った。カーツを殺して階段を下りてくるウィラードが、45年8月に厚木基地でタラップから降り立ったマッカーサーに思えたのだ。ウィラードを迎えた部族民は新王を称えるように道を開け、次々と武器を放棄していく。一方、マッカーサーの到着で日本は武装解除し、国民から「マッカーサー様、日本の天皇になってください」との声も起きた。

 本作が欧米人から見た原始と文明の出合いであるなら、天皇主権から国民主権に変質した日本人も西洋文明に頭を垂れたことになる。戦前の日本は未開部族だったのか。

(森田健司/日刊ゲンダイ)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    また五輪“特権扱い” サーフィン会場でドンチャン騒ぎ容認

  2. 2

    白鵬「進退の意味わかった」に透ける引退先送りの悪あがき

  3. 3

    丸川五輪相“ああ勘違い”空回り 妄言連発に自民からも苦言

  4. 4

    「最高のオバハン」大地真央の驚異の若さと気になる夫婦仲

  5. 5

    海外プレス入国申請コピペ証拠入手 丸川大臣ドヤ顔否定

  6. 6

    鈴木亮平の勝負は日曜劇場…「ドラゴン桜」と薄い毒が懸案

  7. 7

    菅政権ブチ上げ「五輪期間テレワーク」計画に怒りの声噴出

  8. 8

    キャバクラ通い朝乃山 厳罰招いたウソと大関復帰の可能性

  9. 9

    ビートたけしが菅政権に大苦言「五輪強行は晩年の日本兵」

  10. 10

    白鵬窮地…照ノ富士と貴景勝に7月場所後横綱同時昇進の目

もっと見る