著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

52年後の映画「男と女」に感じたすがすがしい生命力の正体

公開日: 更新日:

 日本でも非常に馴染みの深い仏映画の「男と女」(1966年)。その52年後を描いた「男と女 人生最良の日々」を、都内のミニシアターで見てきた。平日でありながら、ほぼ満席状態であったのには驚いた。年配者中心に男女ほぼ半々の客層だったのも妙な納得感があった。

 52年後を同じ俳優が演じた。アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンだ。若いときに別れた2人が再会する。年を重ねた今の姿に、「男と女」の若き日の映像が重ね合わされる。感動したのは年をとった2人の俳優から、実にすがすがしい生命力の息吹が感じられたことだ。

 風貌では差があった。エーメは若き日の美貌の片鱗が、上品でたおやかな趣のなかから浮かび上がる。対して、トランティニャンは深く刻まれたシワが、ちょっと痛々しいような老いぶりを見せる。ただ、彼には絶妙な会話術があった。その勢いが生きる糧となって、全身を貫いていた。

 こんなセリフに魅了される。「1000人の女性を口説くより、1人の女性を1000回口説くほうが難しい」。エーメの「(今も)魅力的よ」という言葉にトランティニャンは、「嘘だ」「嘘をつく女は可愛い」と返答する。格好いいったら、ありゃしない。もちろん、彼女も負けてはいない。「(彼は)変わってしまった。男性的ではなくなったから」。この言葉は怖い。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る