コロナ禍こそ必見 映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」

公開日: 更新日:

 英国では緊縮政策と福祉予算削減が現場を疲弊させた結果、常に過労気味で追い込まれる職員らが続出。追い詰められた労働者たちを、そうした職員らがぞんざいにたらい回しする地獄絵図が本作の中でも描かれている。やがて疲れ果て、フードバンクに駆け込んだ若いシングルマザーが、空腹に耐えきれず棚の食品にかぶりついてしまうシーンは涙なしには見られぬ衝撃だ。

「国の無策が国民の対立をあおり、物乞い扱いされた労働者たちは誇りを傷つけられ、やがて生きる意欲を奪われていく。日本でも熱狂的な政府支持者や太鼓持ちの言論人がネットやSNS上で毎日やっていることです。この映画はそうした問題の本質をいち早く指摘し、怒りと感動のドラマに仕立てた類いまれな傑作といえます」(前田氏)

 当時の英議会で、労働党はメイ首相に「この映画を見るべきだ」と叩きつけたという。マスクですら満足に配れないのに「日本モデルの力を示した」などと自画自賛に終始する安倍首相にこそ見せたい名作だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃