著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

明石家さんまの「話術」は生舞台でも編集後のような完成度

公開日: 更新日:

 お笑い怪獣・明石家さんまさんといえば、私は2015年のオール阪神巨人さん「コンビ結成40周年」東京公演にゲスト出演された時の姿が忘れられません。

 当時、私はオール阪神・巨人さんの漫才作家として構成を担当していました。さんまさんと3人のトークの後、20分ほどの阪神巨人さんの歌のステージ、最後にメインの阪神巨人の長尺漫才という流れでした。さんまさんは出番が終わるとすぐに劇場を出ると伺っていましたが、記念の公演なので、ぜひともさんまさんに漫才の紹介をしていただきたいと思っていました。私から巨人さんに「さんまさんにお願いしてもらえませんか」というのも言いづらく、進行台本に「お時間が許すようでしたら、しばらくお待たせすることになりますが最後の漫才の紹介をお願いしたいと思います」という一文を添えると、マネジャーさんから「了解しました」というお返事。巨人さんの手を煩わせることなく、小躍りするぐらいうれしい気持ちでした。

 トークコーナーはMCをブラマヨの小杉君に頼みましたが、さんまさんが自由自在に仕切り、主役の阪神巨人さんを立てながら、よどみなく50分弱の生舞台のトークが繰り広げられ、編集を終えたテレビ番組のような完成度。通常、テレビ番組はその何倍もの時間を収録し、編集で完璧なものに仕上げますが、生の舞台なのにカットなしの「完全版」でした。もちろん、阪神巨人さん、小杉君の返しが素晴らしかったのは言うまでもありませんが、さんまさんの展開力、アドリブ力には改めて驚かされました。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした