著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

明石家さんまの「話術」は生舞台でも編集後のような完成度

公開日: 更新日:

■話術の原点は「前説」

 さんまさんの話術の源は新人時代、笑福亭仁鶴師匠ややすし・きよし師匠の前説にあると当時のマネジャーさんに聞いたことがあります。「前説10分」の予定が飛行機の遅延や交通渋滞で1時間遅れて会場に着くこともあり、その間、ひとりでつないでいたのだそうです。

 歌のコーナーが終わり、阪神巨人さんが舞台袖にスタンバイすると、さんまさんは舞台上では決してかけないメガネをかけ、ハンドマイクを手に取り「ほな、行ってくるわ」と出て行かれた。舞台に出るや「歌、長いねん!」とぼやいて笑いを取りながら、阪神巨人さんを紹介する姿は“芸人・明石家さんま”ではなく、“巨人さんと同期の”杉本高文さんがしゃべっておられました。

 この気遣い、男気、同期愛、袖で見ながら「かっこええ!」とうなっていました。今なおトップランナーとして走り続けるさんまさんの、さんまさんたるゆえんを見た思いでした。

 最近では「ユーチューブは敵や!」と公言されていますが、自分はテレビに育ててもらったという“恩”を強く感じていらっしゃるのではないかと解釈しています。でも、もしもユーチューブに出たら、最強の「ユーチューブ怪獣」になることでしょう。

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