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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

ヒロシは最悪を何度も経験したから“逃げ続ける覚悟”がある

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「自分で計算したわけじゃなくて、いろんなものから『もういいや、逃げちゃえ』って行った先にお花畑があった」(ヒロシ日本テレビ「マツコ会議」7月11日放送)

 意外にもキャンプに興味があるというマツコ・デラックスが「キャンプっていうよりはどっかで焚き火したい」と言うと、「同じマインド!」と手を叩いて同意したのはヒロシ(48)だ。かつて「ヒロシです……」のネタで大ブレークしたが、「一発屋」のレッテルを貼られ、しばらくテレビから姿を消した。しかし、近年はYouTubeのキャンプ動画が大人気だ。

「ただのキャンプだけではなくて、今の若者たちに人生観みたいなものが響いているんじゃないかな」と現在のヒロシが支持されている状況を分析するマツコに、ヒロシが語った言葉を今週は取り上げたい。マツコも「逃げるって大事!」と同調し、「それを鮮やかにやったのがヒロシさん」と評すのだ。

 ヒロシの芸人人生は「逃げ」続けだった。福岡でデビューするも仕事はない。だから東京に逃げてきた。芸人仲間と共同生活を始めたが、ある番組で2カ月住み込みの仕事があった。そのギャラは2万5000円。住み込みのためバイトもできず、生活はさらに逼迫した。そのタイミングで相方は芸人を辞めると言い出し、ピン芸人となった。

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