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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

亀梨和也「事故物件」好調 松竹とジャニーズの意外な関係

公開日: 更新日:

 2015年から今年まで松竹の実写作品で興収15億円以上は7本ある。そのうち、見込みも含めて4本をジャニーズ事務所の俳優が主演もしくは準主演を務めている。以下、興収順。

・「事故物件 恐い間取り」(20億円以上、推定)
・「母と暮せば」(二宮和也、19億8000万円、16年)
・「ザ・ファブル」(岡田准一、17億7000万円、19年)
・「空飛ぶタイヤ」(長瀬智也、17億4000万円、18年)

 単純な計算だが、実写作品の総興収のうち、それらの作品累計は50%を超える。もちろん、興収だけを比較すれば東宝には太刀打ちできない。この5年だけを見ても、「HERO」(木村拓哉、46億7000万円、15年)と「マスカレード・ホテル」(同、46億4000万円、19年)がともに40億円を超えており、松竹作品はとてもかなわない。

 東宝作品には大きな特徴がある。上記2本を見ればわかるとおり、テレビ局映画キムタク主演という製作手法が圧倒的な興行を展開することだ。加えて「検察側の罪人」(木村拓哉、二宮和也、29億6000万円、18年)、「忍びの国」(大野智、25億1000万円、17年)、「関ケ原」(岡田准一、24億円、同)、「海賊と呼ばれた男」(同、23億7000万円、同)など製作費が存分にかかった大作路線も多い。「暗殺教室~卒業編~」(山田涼介、35億2000万円、16年)も大ヒットしたが、全体的にテレビ局映画とキムタク主演、それに大作志向という3本柱が東宝の基軸になっていることがわかる。

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