著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

映画賞はNO眼中?「今日から俺は!!劇場版」白々しさが潔い

公開日: 更新日:

 ある映画を見て、「潔いな」という印象をもった。すでに興収20億円を超えて大ヒット中の「今日から俺は!!劇場版」のことだ。問題作として社会に切り込む意図などさらさらない。マスコミ、評論家受けは狙わず、映画賞には目もくれない(と思う)。

 ただただ観客を楽しませることに主眼が置かれている。これが潔い。傑作、秀作、力作、駄作といった言い方も寄せ付けない。あえて付けるとすれば、その潔さから、全くの造語である「潔作(けっさく)」とでも呼んでみたくなる。

 1980年代の千葉を舞台にツッパリ高校生をコミカルに描く。原作は80年代末から連載が始まった漫画だ。90年代にはオリジナルビデオや映画化もあったが、一昨年、テレビの実写ドラマで一躍人気を博した。強面なツッパリ高校生が暴れまくるという従来のハードな不良映画ではない。高校生同士の縄張り争いや暴力沙汰は存分にあるが、主人公のお茶目な性格、とぼけた周囲の人たちなど、これまでの不良映画の定型とはまるで違う。開放された“遊び場”で思いっきりタガを外した高校生や大人たちが、存分にバカぶりを発揮している雰囲気がある。これが何とも爽快であった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  3. 3

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  4. 4

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 8

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  4. 9

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  2. 2

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  3. 3

    大リストラの日産自動車に社外取締役8人が「居座り」の仰天…責任問う大合唱が止まらない

  4. 4

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  5. 5

    所属先が突然の活動休止…体操金メダリストの兄と28年ロス五輪目指す弟が苦難を激白

  1. 6

    国民民主党・玉木代表は今もって家庭も職場も大炎上中…「離婚の危機」と文春砲

  2. 7

    「嵐」解散ツアーは売り上げ500億円? オイオイ、どんだけ儲けるつもりだよ

  3. 8

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 9

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  5. 10

    「キャロル」でのジョニー大倉の先見性とボーカルはもっと評価すべき