石破首相が参院選「第一声」で危険な賭け…激戦区・兵庫での自公両候補応援に潜むリスク

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「物価上昇を上回る賃金上昇を必ず実現する」「早く生活が苦しい方々に給付金を届けたい」──。3日、戦いの火ブタが切られた参院選(20日投開票)で、石破首相が「第一声」の場に選んだのは神戸市。「3.11」以来、時の首相はほとんどの国政選挙で福島県から遊説を始めたが、石破首相は屈指の激戦区・兵庫入りし、自公与党の両候補を応援した。しかし本人は知ってか知らずか、相当なリスクを背負ったようで……。

■主要政党が軒並み候補を立てる

 この日は公明党斉藤鉄夫代表も、神戸市内で第一声を上げた。

「当初は東京都内で行う予定でしたが、石破さんが初日から兵庫に入ると聞き、急きょ変更したのです。兵庫選挙区は自公両党が候補者を擁立。石破さんに先に公明候補を応援させるわけにはいきませんから」(公明党幹部)

 石破首相は自民現職の加田裕之候補の横で第一声を上げた後、大阪・関西万博の会場へ直行し、日本の参加をたたえる「ジャパンデー」の公式式典に出席。万博の名誉会長として参加国の代表や一般来場者らを前にあいさつすると、兵庫にUターンし、JR尼崎駅前で今度は公明現職の高橋光男候補の応援演説をこなすという慌ただしさだった。

「尼崎市は公明の大票田。大勢の支援者を前に、石破さんは高橋さんを『(国会に)いなくてはいけない人』などと持ち上げ、恩を売った形です」(地元関係者)

 兵庫選挙区は主要政党が軒並み候補を立て、総勢13人が乱立。2016年に改選数が「2→3」に増えて以降、過去3回は自・公に日本維新の会の候補が議席を分け合ってきたが、今回は泉房穂・前明石市長が無所属で出馬し、勢いに乗る国民民主党も公認候補を擁立。NHK党の立花孝志党首まで参戦するというメディア注目の激戦区となった。

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