満島真之介が俳優10周年 ポジティブな言葉を発信する理由

公開日: 更新日:

 俳優デビュー10周年を迎える満島真之介(31)だが、意外にも連続ドラマの主演は「カレーの唄。」(BS12 トゥエルビ、10日スタート)が初めて。初主演の意気込みと“現在地”を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「10周年はひとつの節目、今回の作品は新しい扉が開けたと思っています。もともと仕事とプライベートの垣根がないタイプなんですが、今の自分の感覚を大切にして演じることができました。自然体に近づけたのは、この10年で多くの監督やスタッフの方と出会い、助けていただいたからこそ。なかには天に昇ってしまい、もう会えない方もいますが、いただいてきた言葉を体現しなければならない時期に入ってきたのかなと感じています」

 30歳で新しい事務所への移籍を発表。個人事務所で事実上の独立となったが、実感することがあるという。

「コミュニケーションの大切さです。家庭も仕事もコミュニケーションがなくなったところには未来がないですからね。30代のスタートを、何気ないことも意思疎通できるチームで動き出せたことが何よりの幸せ。独立から1年が経ち、今、人生で1番いい状態。これからますます面白い人生になりそうでワクワクしています」

「20代は毎日悩んでいた」

「カレーの唄。」では、世界を放浪する青年・天沢陽一郎を演じる。大好物のカレーを食べながら人生の先輩として、大学生たちの悩みを解決することが見どころのひとつ。役者になる前に日本一周の旅をしていた満島にはハマリ役だが、どんな20代だったのか。

「毎日悩んでましたよ。でもそれがあって今がある。経験や物事に対する喜怒哀楽の感情など、いずれも人それぞれですが、人生に意味のないことはひとつもない。自分で選択、行動し、失敗を知ることで次の道が開けました」

 悩める若者たちへのアドバイスは?

「何をやるにしても、未経験より経験値があることに越したことはない。それに、憶測で物事を判断するほど滑稽なものはありません。一番大切なのは『分からない』と素直に言えること。そうすれば分かる人が教えてくれるし、新たな動きが生まれていきますよ」

インスタグラムでは“満島語録”をアップ

 自身のインスタグラムでは、硬軟入りまじりの写真とユニークな“満島語録”をアップ。ストーリーズでは<ポジティブ 何があっても ポジティブ><あなたがあなたであることが宝だから>などと28.6万人(7日現在)のフォロワーに寄り添う言葉を投稿している。本人は「パッと思い浮かんだ言葉をただ紡いでるだけ」と照れ笑いするが、その反響はデカい。

「自分を愛し、素直に生きることが、自然と手を差し伸べることに繋がるのかもしれませんね。『今日があるって幸せなこと、生きてるってすごくない?』といった改めて発するのも憚れるような言葉にこそ発見がある。ポジティブな言葉を使っていると、不思議と周りの人に伝播するんです」

 ポジティブシンキングの秘訣は?

「とてもシンプルですが、よく食べ、よく眠ることが重要。食べられなくなると不健康になるし、眠れないとすさんでいきます。眠れないのは、精神的な部分に原因があるはずです。外の情報に意識が行き過ぎていると、自分のことが見えなくなってしまいます。悩んでいる人は自分のことを少しずつでも認めていく作業をしたほうがいいと思いますよ。世の中に氾濫する情報を鵜呑みにしすぎて、他人軸になっていないか感じてみてください。まずは、自分の身体と心に向き合い、今の自分を認めてあげることからスタートします。そうしていくと、自然と前向きになり、何気ない日々に大きな幸せを感じられるようになりますよ」

 生まれ持った陽の素質で場を明るくするムードメーカー、さまざまな現場で必要とされている理由がわかった気がする。10周年を記念したファンミーティングの開催を目論む。「2人しか集まんなかったらどうしよう!」と心配するが、間違いなく杞憂に終わりそうだ。

(聞き手=白井杏奈/日刊ゲンダイ

▽みつしま・しんのすけ 1989年生まれ。沖縄県出身。21歳で俳優デビュー。「風俗行ったら人生変わったwww」(2013年)で映画初主演。「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」でTAMA映画賞最優秀新進男優賞、報知映画賞新人賞を受賞。主な出演作はNHK大河「いだてん~東京オリムピック噺~」(19年)、映画「キングダム」(同)、Netflix「全裸監督」(同)など。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも