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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

フラッと現れた森田童子の暗くて沈んだ歌声に恋心を抱いた

公開日: 更新日:

 新型コロナに翻弄された2020年も12月を迎えた。ライブは<密>を避けて<配信>というスタイルに変わり、演者とファンとの間に存在していた<濃密なつながり>は分断され、音楽を熱く実体験することができなくなった。コロナ禍はいつ収束するのか? 先が見えない。夜中に一人で酒を飲みながら、森田童子の悲しい調べに身を委ねる。青春時代の思い出が走馬灯のようによぎる。あれは……本気の恋だったのだろうか?

 1973年の秋というよりも、夏の終わりと言った方がいいかもしれない。その年の6月に西荻窪ロフトが北口商店街の一角にオープンした。秋口に入っても残暑が厳しく、店前の(東京)女子大通りの打ち水が、キラキラと光り輝いていた。

 森田童子がふらっと現れて「すいません、私もここで歌えますか?」と聞いてきた。彼女のトレードマークとなったサングラスも掛けてなかったし、クルクルのカーリーヘアでもなかった。まるで少女のようだった。

 売れていない歌い手が売り込みに行く際、さすがに真っ黒のサングラスはないだろう――ということだろうが、彼女の素顔を見たのは、この時が最初で最後だったような気がしてならない。

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