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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

岡村隆史が最も面白くなるのは傍らで相方が笑っている時

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 そんな岡村の“カッコつけ”を笑いに変えるのが、ニヤニヤと笑みを浮かべて岡村を眺める矢部だ。矢部は散々泳がした揚げ句、「岡村さん、何してはるんですか?」と最後の最後の一言でひっくり返す。だから、岡村の“カッコつけ”が大ボケとなり、オチになっていく。つまり、矢部が笑うということがツッコミとなり、岡村の笑いにつながっているのだ。

 しかし、冒頭の言葉の後、矢部が「そうね。笑わへんようになった時期があるからね」と返したように、コンビ間の関係性が決して良くなかった時期もある。それは、岡村が昨年自身のラジオ番組で“失言”をした直後の放送で、矢部が駆け付け“公開説教”をし、「あんまりいい感じじゃないやん、ナインティナイン」(ニッポン放送「岡村隆史のオールナイトニッポン」20年4月30日)と語っていたことでも、明らかだ。

 けれど、この“事件”をきっかけに矢部がラジオに復帰。矢部が「昔の養成所時代のころの感じ」(とうこう・あい「QJWeb」20年11月11日)と語るような関係性に戻り、普通の話ができるようになったという。

 さらに岡村が結婚をして「新しい景色」が見えるようにもなったナインティナイン。岡村は芸人の本能として理解している。自分が最も面白く見えるのは、傍らで相方が笑っている時であることを。ならば、その関係性の良さの分だけ、ナインティナインは一層面白くなるということだ。

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