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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

芸能記事も世代交代 メディアと芸能界の変化は予測難しい

公開日: 更新日:

 昭和女性誌のトップを飾ったのは芸能記事だった。対照的に男性誌のメインは政治や社会、事件。女性誌では刺し身におけるタイやマグロだった芸能が男性誌では刺し身のツマだった。昭和→平成→令和と時代は流れ、男性誌も時には芸能記事がマグロになることもあった。その背景にあったのが芸能界の隆盛だ。

 美空ひばりに始まり山口百恵松田聖子中森明菜と人気歌手を中心にした世の関心事が高まり、芸能記事は必要不可欠なものになった。料理に例えれば芸能は調理法がいくつもある。生はスクープ。後は焼くことも煮るもできる。さまざまな企画が可能だ。

 典型的な例が「あの人は今」だが、以前、こんなプランもあった。かつて一世を風靡した歌手や女優が意外にも独身を貫き通している人が多い。「そういえばあの人も」という方もかなりいた。独身を貫いている理由を聞くという意地悪な特集を組んだ。事務所に当たると「今さら話す理由はない」と断られて往生した。

■女性誌に代わり「文春」という皮肉

 芸能企画も含め、毎週のように報じられる芸能ニュース。「有名税」と捉える方もいたが、「無責任なスキャンダルの垂れ流し」と非難する声もあった。芸能界は徐々にガードを固め始めた。ワイドショー・スポーツ紙と徐々に撤退していった。時代は令和になり、芸能記事の中心にいるのが女性誌に代わり「文春」という皮肉。

「昭和はピンのスターがいたしスキャンダルも多かった。最近は名前よりも内容。不倫などのより強い刺激を求めている。熱愛ぐらいでは関心も薄れてきている」と女性誌編集者は振り返る。

 明らかに芸能記事も世代交代しているように見える。ターゲットになる芸能界も世代交代が著しい。昭和を飾ったスターも年齢的に一線を離れている。大手事務所も2代目に引き継がれ所属タレントも若返り。メディアと芸能界が今後どう変化していくのか予測は難しいが、やはり注目なのは若手女優の代表格に上り詰めた綾瀬はるか長澤まさみを中心とした熱愛や結婚か。

ジャニーズも世代交代

 一方の男子は、やはりジャニーズが中心で芸能ニュースは回るだろう。すでに全盛期のジャニーズを支えたグループが続々と解散・独立している。諸先輩が去りジャニーズも世代交代が顕著。コロナ禍もあり、ソロ活動が目立つがスキャンダルも絶えない。

 文春砲が定例報告のように若手の熱愛を報じている。遊びたい盛りの20代男子。事務所が私生活を管理するのは難しい時代だが、個人でスキャンダルに耐えられる体力まではついていない。ジャニーズの伝統的な力が守っているのだ。あるOBの話。

「多少のスキャンダルなら事務所が守ってくれる安心感があった。今は違う。昔の事務所に謹慎処分なんて考えられなかったが、今はケジメとして不倫したマッチ(近藤真彦)も謹慎にする。今の事務所はシビアだと痛感する。それをタレントが自覚しているかどうかが、今後の課題だと思う」

 しばらくはジャニーズが中心でテレビ界もメディアも回ってゆくのは間違いないだろう。 

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