著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

映画「王の願い ハングルの始まり」に降りかかった災難

公開日: 更新日:

 ドラマ映画、音楽、漫画など次々とコンテンツを世界に輸出している韓国は、過去に“ハングル”を輸出しようとしたこともある。日常的なコミュニケーションツールを世界化しようという壮大な計画だった。

 朝鮮半島で使われるハングルは「偉大な文字」といわれている。たった24文字で構成されていて、簡単にマスターできるからだ。制定された当時(1443年)の解説書には「利口な者なら半日で、どんなバカでも10日で覚えられる」と記されたほどである。

 文字を考案したのは朝鮮王朝第4代王の世宗(セジョン)。当時、上流階級層で使用されていたのは中国の漢字だったが、庶民は読み書きができず不便を強いられていた。そこでだれでも簡単に学べる独自の文字を創製し、公布したのだ。ところが臣下たちは、この王の偉業に猛反発した。

 文字の使用は上流階級層の特権でもある。政府の高官は、民が字を読めないでいてくれたほうが自分たちの好き放題にできると考えていた。支配者クラスにとって、ハングルは疎ましい存在だったのだ。加えて独自の文字を持つことは中国の怒りを買う恐れもあったとされる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  3. 3

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  4. 4

    回復しない日本人の海外旅行…出入国数はGWもふるわず、コロナ禍前の半分に

  5. 5

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  1. 6

    「リースバック」で騙される高齢者続出の深刻…家を追い出されるケースも

  2. 7

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  3. 8

    田中圭にくすぶり続ける「離婚危機」の噂…妻さくらの“監視下”で6月も舞台にドラマと主演が続くが

  4. 9

    千葉工大が近大を抑えて全国トップに 「志願者数増加」人気大学ランキング50

  5. 10

    三山凌輝活動休止への遅すぎた対応…SKY-HIがJYパークになれない理由