著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

俳優・城哲也から未知の格闘技「キックボクシング」に進路変更した

公開日: 更新日:

筆者「俳優としての表現力に期待した面はあった?」

野口「それは、ないよりあった方がいいでしょ。でも一番は運動神経と跳躍力。びっくりした。これだけ跳ぶ人間を初めて見た」

筆者「何メートルくらい?」

野口「何メートルかはわからない。でも、道場の天井に届くんじゃないかってくらい」

筆者「それを見て、彼ならいけると?」

野口「思った。『白羽君。ぜひキックボクシングをやってくれ』と。そしたら『わかりました』と」

 やりとりからもわかるように、野口修がスカウトしたことで、白羽秀樹は未知の格闘技「キックボクシング」の道に進路変更したのである。ただし、俳優を絶ったわけではなかった。野口プロモーションの関係者は彼のことを「ジョーさん」と呼ぶ。「ジョー」とは芸名「城哲也」に由来していることは明らかだった。当時の白羽秀樹が「城哲也」を名乗っていた証左であろう。つまり、白羽秀樹はこう考えたということだ。

「俳優として芽が出ないのは悔しい。でも俺はまだ諦めない。この先はキックボクシングという、新しい世界から捲土重来を図ろう」  =つづく

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」