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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<37>「結婚おめでとう」に無言だった早貴被告、テレビのカメラマンに舌打ち

公開日: 更新日:

 入籍の翌朝、早貴被告は東京に帰る予定になっていて、家政婦の大下さん(仮名)と2人でアプリコまで歩いてきた。野崎幸助さんの自宅からは、ゆっくり歩いても3分ほどである。その駐車場で早朝にドン・ファンが乗ってきた自家用車アリオンを拾って、大下さんの運転で南紀白浜空港に向かうことになっていた。

 ちょうどそのとき、アプリコの前の道路では東京から来たテレビのカメラマン2人が撮影を開始していた。1人は私の顔なじみのスーさんで、何度も社長を取材していたので気心は通じている。

「社長の仕事ぶりを撮影してから愛人との撮影をしたいんですが」

 彼らとは前夜に打ち合わせをしていたが、困ったのは突然の入籍だった。しかし、ドン・ファンは、事前に約束をしていたので、この日の愛人との撮影に支障はないと断言していた。

■テレビカメラに顔を隠す

「おはよう。入籍したんだって? おめでとう」

 早貴被告に声を掛けた。体にフィットするジーンズにピンヒール、そして大きなサングラスをかけていた。彼女はテレビカメラにギョッとしたようで、何も答えずに車に乗り込み、すぐに顔を手で隠した。カメラマンが回り込んでなおも撮影をしようとすると、「チッ」と舌打ちしながら、なおも顔を隠し続けた。

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