純烈・後上翔太さんが振り返る「メモリアルな紅白歌合戦」3回のステージ

公開日: 更新日:

 ムード歌謡の男性4人グループ「純烈」は2018年から3年連続で紅白出場を果たした。最近ではドラマなどの出演も話題でファン層も拡大。今月10日には最年少メンバー、後上翔太主演の映画「スーパー戦闘 純烈ジャー」も9月10日に公開される。紅白出場の瞬間を語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

 純烈はリーダー(酒井一圭)が「紅白に出る」と公言してスタートしたグループです。最初はふざけて言っているのかと思われていたくらいで正直、出られないだろうという感じで、不安にも思わない時代が長かったんです。毎年、紅白の発表がある11月中ごろにはステージで「紅白に落選した純烈です」と言うと爆笑が起きました(笑い)。

 それが変わってきたのが結成10年の17年、紅白出場の前年です。落ちたのを知っているファンの方が幕が開いた瞬間、ちゃかしじゃなく、「来年こそ!」というプラカードを持ちながら号泣していて。僕らはNHKの「のど自慢」や「思い出のメロディー」にも出ていないのに、紅白は無理と思っていたけど、ファンは「そろそろ」と思ってくれていたみたいです。

■平成最後と令和最初の紅白

 1年目の紅白が決まった瞬間は正直、ホッとしました。1年前に泣いていたファンの顔を間近で見て、握手をしたらまた泣いていて、紅白に出場することができて本当によかったと肩の力が抜けた気がしました。

 この時は平成最後の紅白です。初出場で何がなんだかわからなくて、五木ひろしさんがいる、郷ひろみさんがいる、関ジャニ∞もHey!Say!JUMPもいるという感じで。スーパー銭湯や地方の会場で歌っている純烈にとっては別世界でした。

 救われたのはファンの方も一緒にステージに出たことです。歌ったのは「プロポーズ」です。ステージで前を向いたらたくさんの観客がいる非日常の世界ですが、後ろを向くと温泉に行った時にいるファンの方がいて落ち着くことができた。そんな感覚で歌っていたらアッという間でした。

 フィナーレは後方にいたので、桑田佳祐さん、ユーミンさん、北島三郎さんを見ることができませんでした。打ち上げには北島さんもいらして「これから健康センターを3店舗回ります」と挨拶したら「そうか、面白いな」と言ってくださった。

 翌年は令和最初の紅白です。年明けにメンバーのことでいろいろありました。今、彼は頑張っているし、僕らも彼が働いている店で食事をしたこともあります。でも、当時は紅白どころじゃなくグループがどうなるのかという状態でした。

 そんな中でお世話になったのが前川清さんと小林幸子さんです。

 前川さんは1月半ばに明治座の座長公演がありました。僕たちが出ていいか迷っていたら、ジョーク交じりに「君たちは渦中の人だし、チケットが売れる。4人で来て」と言ってくれた。小林さんには記念のPVの仕事で呼ばれていました。「ご迷惑をかけるので……」と言ったら、「芸能界はいろいろあるけど頑張る人が集まるところよ」と言ってくれた。おふたりが僕たちを迎えてくれたことで他の仕事も普通に続けることができました。あれは大きかったですね。

 そしてもうダメかと思っていた2年目の紅白出場も決まりました。振り付け担当だった彼が脱退していたので、振り付けはDA PUMPさんにやっていただきました。ステージでもDA PUMPさんがずっと一緒にいてくれた。僕は大ヒット中の「U.S.A.」のDA PUMPさんと一緒のステージというのがうれしくて、2年目の紅白は夢のような時間でした。

3回目は無観客なのに大量の紙吹雪にビックリ

 そして3年目はコロナです。1月ごろは「今年もまたいろんなところで歌うのかな」と思っていましたが、2月に入って雲行きが怪しくなった。最初は握手なし、写真撮影会なし、ハイタッチだけとか。でも、そのうち仕事そのものが飛んで。そりゃ、そうですよね。純烈の最大の武器は濃厚接触ですから(笑い)。もう、翼をもがれて足をバタバタさせて前に進むしかない状態です。

 なので、リーダーは早い段階でライブはやらないと決断しました。時間が空いた分、それぞれがドラマに出たり。まとまった時間ができたのでスケジュールがいっぱいでできなかったFOD配信(フジテレビでも放送)の連続ドラマ「純烈ものがたり」や、今度の「純烈ジャー」に取り組むこともできた。

 そして、3度目の紅白はコロナ禍で史上初の無観客。メモリアルな紅白に3回連続での出場がかないました。見ていただいた方もいると思いますが、紅白の紙吹雪といえば北島さんですが、スタッフの方が僕たちのためにものすごい量の紙吹雪を飛ばしてくれた。リハーサルではあの10分の1くらい。本番があんな量とは思っていなかったのでビックリでした。

 今度の映画は僕の変身のシーンもあります。4人の中で戦隊出身じゃないのは僕だけです。メンバー紹介では「ガオレンジャーの酒井です」とか言えるのに、僕だけ「東京理科大中退の後上です」なんて言っていた。これからは僕も変身ポーズで「純烈ジャーの後上です」と堂々と言えます。純烈ファンの方はお孫さんも一緒に連れてきて、みんなで楽しんでもらいたいです。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ

◆映画「スーパー戦闘 純烈ジャー」(9月10日公開) 後上翔太主演、酒井一圭、小田井涼平白川裕二郎の4人のメンバーが温泉の平和を守るヒーローを演じる娯楽作。共演は前川清、小林幸子ら。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  5. 5

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  1. 6

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  2. 7

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?

  5. 10

    松本人志を口火に永野芽郁にフワちゃん…“やらかし芸能人”続々復活の11月 3人の間で地上波復帰レース勃発の奇観

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性