増位山太志郎
著者のコラム一覧
増位山太志郎元大相撲力士

1948年11月、東京生まれ。日大一中から一高。初土俵は67年1月場所、最高位は大関。引退は81年3月場所。引退後は日本相撲協会で審判部副部長を務めた。74年「そんな夕子にほれました」、77年「そんな女のひとりごと」などがヒット。画家として二科展入選の常連。「ちゃんこ増位山」(墨田区千歳)を経営。

<7>「おい、大関の椅子が一つあいたぞ」の一言でスイッチが入った

公開日: 更新日:

 人間は出会いというのも大切だね。出会ったことをきちんと認識できるかは、人生の分かれ道だと思います。僕の場合は、最初は高校時代。水泳で大学に引っ張ってもらうか迷っていたら、先輩が「好きな道に進んだ方がいいよ」と言ってくれたので、相撲の道を選んだ。それがなかったら、今こうしていない。

 次は三役時代。大関の旭國さんには下の頃から巡業で稽古をつけてもらっていました。あの方が引退したのは1979年の秋場所です。僕はその時は成績がよくて三役で勝ち越しました。東京に帰ろうと思って飛行場に行ったらたまたま一緒になったのが旭國さんでした。

 その時、旭國さんから言われたのは「おい、俺が辞めたから大関の椅子が一つあいたぞ。今がチャンスだ」という言葉でした。それで視界が開けたというか、スイッチが入ったというか。奮起して、翌年の80年1月場所で大関になることができた。当時は旭國さんの28歳11カ月を上回る31歳2カ月での大関昇進でした。

 旭國さんが最近、ある雑誌で僕のことを話していました。「増位山は努力の人だ」と。あの言葉はうれしかったね。僕はどちらかというと負けても笑っている方で、一生懸命感が出ないタイプでした。自分から努力しているなんて言うのもおこがましい話だし。普段から悔しがったりしないから、フランクでいい人みたいに思われていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”