歴代天皇は「徳を積む」ことにこだわった 昭和天皇の帝王教育はどうだったのか

公開日: 更新日:

 明治天皇は小さい頃から、父・孝明天皇から和歌を詠む教育を受けたが、これは「帝王学」というより、書道などと並んで「オク」(天皇家のプライベート領域)における素養のようなものだ。維新が成って東京に遷都すると、改めて軍事や外国語、西洋の政治などを学ぶが、昭和天皇のような大掛かりなものではなかった。

 ところで、新政権ができると明治天皇は頻繁に地方を巡幸した。それは、当時は天皇の存在すら知らない人が多かったからだ。とすれば、明治以前は庶民に天皇の徳を示していないのだから、「帝王学」は知識のみで実体はなかったということだろう。

 大正天皇は初めて学習院で正規の教育を受けた天皇である。ただ、生来、体が弱かったせいか、中等科1年で中途退学し、東宮御所で東大の教授陣から個人授業を受けることになった。漢詩などには非凡な才能がある一方で、肝心の軍事などには興味を示さず、後日、陸軍や海軍の大演習を統監することもあまりなかったという。大元帥というよりもリベラリストだったのかもしれない。いかにも大正デモクラシー時代の天皇である。

 ただ、この「帝王教育」は為政者にすれば失敗だったようで、のちに昭和天皇の「帝王学」が国家的事業となったのも、この反省の結果だったのかもしれない。 (つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  2. 2

    中村倫也が「風、薫る」に大貢献…妻・水卜麻美アナとの「ずっと仲良く」「にこやかな」近況

  3. 3

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  4. 4

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 5

    佐藤二朗は信州大経済学部から就職氷河期にリクルートに入社も、わずか1日で辞めて役者の道へ

  1. 6

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  2. 7

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風

  3. 8

    「恩人だけど、嫌いな人の代表」亡くなった板東英二さんが複雑な感情を抱いたプロデューサーの名前

  4. 9

    強いショック状態の清水アキラに心配の声…子供を亡くした神田正輝らもたどった遺族ケアの道のり

  5. 10

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  2. 2

    馬場典子アナの「人生の転機」は日テレ入社7年目“福澤一座”の旗揚げ公演の初舞台

  3. 3

    長崎でも高市首相はスカスカ挨拶…戦争責任「反省なんかしておりません」95年の発言がSNSで猛拡散

  4. 4

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  5. 5

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  1. 6

    ヤクルト「早すぎた続投宣言」の代償…池山監督の来季続投決定後に泥沼、投手陣も崩壊

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 9

    高市早苗がナチス礼賛本に推薦文…「♪盟友ナチス♪」の高須克弥を持ち上げた安倍晋三にも共通する体質

  5. 10

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務