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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

吉田拓郎(76)はすべての活動に終止符…歌手の引退決断は「運転免許返納」くらい難しい

公開日: 更新日:

一方、引退しない決断をした歌手も…

 引退する歌手がいる一方で、昭和の歌謡史を飾った歌手が集いコンサートを続けているのが「夢グループ」主宰の「夢スター春・秋」。総勢20人ほどの歌手の最高齢は黒沢年雄・尾藤イサオの78歳。若くても60代前半。高齢者になった往年の歌手がかつてのヒット曲を届けている。会場に足を運ぶと、「なるほど」と思う面が随所にあった。

 会場はほとんど関東近県から地方の小都市の客席1000人規模の会場。お客の大半は青春時代に夢中になった歌手のヒット曲を生で聴きたいという高齢者だ。

「今の若い歌手の歌はわからないし、なじめない。若い頃に聴いていた歌手が生で歌を聴かせてくれる」と60代の婦人はペンライトを持って応援する。そのステージも極めてシンプル。スポットライトを浴びて登場するステージ衣装も昭和が蘇ったように色鮮やかなドレスやタキシード。お辞儀の角度や時間まで“美しい”。昭和の時代は、お辞儀の作法も歌謡界の教育の一環だったと思う。

 先日、亡くなった葛城ユキさんも出演者のひとりだった。がん治療から1年ぶりに復帰。最後のステージは車椅子だった。歌手のひとりに話を聞いた。

「一般の仕事と同じで、隠居すれば体も弱るし老け込む。歌っているほうが元気でいられるし若さを保てる。基本、歌うのは1曲。体の負担も少ない。かつての歌手仲間と昔話に花を咲かせる機会ができるのも楽しい時間ですよ」

 歌手も高齢化の時代。さまざまな思いが交差する。

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