宇梶剛士が語る俳優の矜持「還暦になって、なんとも言えない多幸感があります」

公開日: 更新日:

 俳優の宇梶剛士(60)が自身の作・演出した、劇場版「永遠ノ矢=トワノアイ」を22日から11月4日まで下北沢トリウッドで公開する。同作はコロナ禍で上演会場が減ってしまったのを機に映像化。ライフワークにかける演出家・俳優の矜持を語った。

 ◇  ◇  ◇

 北海道を含め上演予定の会場がコロナ禍で縮小、今年スクリーン上映が実現。3月に釧路で上映すると評判は広がり、上映館は北海道内10館に拡大。現在、東京で公開中だ。

「見てもらうために作ったのに見てもらえない悔しさから、上映を思い立ちました」

 ――物語は宇梶自身のルーツでもある、アイヌを描いています。

「この作品で31作目になるのですが、4作目でアイヌを描いた時の反省から時を経て、ようやくもう一度描いてみようと挑みました。アイヌ民族の血をひく主人公が“父親の墓問題”で親族から責められたことをきっかけに、自分の存在意義を見直し始めます」

 ――自身は主人公の叔父・トワジイ役です。

「日常の人間関係から森羅万象に至るまで『〇〇とは?』と人に問い返す面倒なじいさんです。モデルはアイヌのリーダーでもある僕の叔父。まだ役者だけでは食えない頃、叔父の土木会社で働きながらアイヌのさまざまなことを教え込まれました。叔父は生き方というか存在自体がアイヌそのもの。いつもアイヌの法被を着ているんです。叔父を知る人は舞台を見てすぐにわかると言っていました」

 ――母も男女平等・アイヌ民族の活動家です。

「母は活動に身投げしたに近い状況で、家にいる時間が短かったから一緒にいると疲れちゃうこともあるけど(笑)、人生の先輩だと思うと彼女から学ぶことが多い。無意識に影響を受けていますね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  4. 4

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  2. 7

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  3. 8

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    結局、「見たい人だけが見るメディア」ならいいのか? 「DOWNTOWN+」に「ガキ使」過去映像登場決定で考えるコンプライアンス

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性