音無美紀子さん 親子旅の企画で2回も共演「赤木のママ」は芸能界の一番の恩人

公開日: 更新日:

音無美紀子さん(女優/72歳)

 石井ふく子&橋田寿賀子作品に欠かせない女優として長く活躍してきた音無美紀子さん。ドラマから映画まで共演してきた人は数多いが、一番の恩人は4年前に他界した赤木春恵さん(享年94)。秘蔵写真は旅番組での親子のようなスナップだ。「赤木のママ」の親しまれる人柄、料理上手、仕事に向き合う姿勢について語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

 私が24歳くらいの時にホームドラマでご一緒させてもらったのが出会いでした。半年続いたドラマなので、その時からいろいろとよくしていただきました。

 すごく親しくさせていただいたのは赤木のママの娘さんの夫がやられていた事務所に入れていただいた頃からですかね。

 30代後半、私が病気になって復帰して間もない頃、石井ふく子さんの会社が制作しました明治座の「おんな太閤記」の舞台で共演させていただいたんです。

 大河ドラマの「おんな太閤記」(1981年)では私は前田利家の妻のまつの役でしたので、秀吉の母を演じられた赤木のママとは撮影でご一緒できませんでしたが、舞台版では秀吉の妻のねねの役でしたから絡みが多かった。それに1カ月の公演でしたので毎日ご一緒で。

「ご飯食べにいらっしゃい」と気さくに呼んでくれていつも昼夜をともにさせてもらいました。それも毎日、楽屋で。ママは料理が上手で楽屋で振る舞ってくれるんです。しかも、キャストの大勢が行きます。

 朝、劇場に行くとまずママの楽屋でコーヒーをいただいて、「今日もよろしくね」と言われ、その時にお昼ご飯のメニューを教えてくれる。お昼になると10人ほどのキャストが楽屋に集まり、ママの手料理をいただく。楽屋が「おふくろの味食堂」みたいになる。それが楽しくて。

「秋田の友人がお米を送ってくれてあり余るほどあるから、みんなたくさん食べなさい!」とおっしゃっていた時もありましたね。みんな自分のお茶碗と箸とお弁当箱だけを持って楽屋に行く(笑)。残ったらタッパーに詰めて持ち帰る方もいましたよ。

 夜は夜で「焼き肉、食べる?」と私を外食へ誘っていただきました。ママはお肉が大好きで、焼き肉やステーキに連れていってくれて。だから、私は若い頃は赤木のママにずいぶん食べさせてもらいました。

 明治座での1カ月間の最中にママの事務所の方たちが頻繁に楽屋にいらして、私もいろんなお話をさせていただいた時に「入れていただきたい」とお願いし、事務所に入れてもらったんです。

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