著者のコラム一覧
城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

前田忠明さん「芸能リポーター」の真骨頂 殺人事件の加害者と被害者の同席会見をしかけた

公開日: 更新日:

 芸能リポーターとして知られた前田忠明さんが、この9月に81歳で亡くなっていたことがわかった。すでに亡くなっている梨元勝さん、鬼沢慶一さん、福岡翼さんとスクープ合戦をして、ワイドショーが派手な時代をつくっていた。その立役者の一人だった。

 一番凄かったのは、あの演歌歌手・克美しげるホステス殺害事件だろう。出所後、克美は被害女性の父親のところへ謝罪に行ったのだが、ワイドショークルーらも続々と集まる中、取材陣の中心となって交渉し、加害者と被害者家族が並んで記者会見を行うという前例のないことをやってのけた。前田はその場で「お父さん、隣にいる男がお嬢さんを殺したんですよ」と口にし、父親が号泣する凄惨な場となる。それが全国に流れた。今だったらとんでもない話で、眉をひそめて当然だ。

 その前田さんには、「タレントのプロダクションとの付き合いも大事な要素のひとつだ」ということを教えてもらったことがある。それなのに不義理してしまい、もう一度、お会いしておけばよかったと残念でならない。

 そういえば、今年は若い頃にお世話になった三遊亭円楽さんも亡くなった。テレビの仕事を始めたばかりの僕に、話し方のコツを一生懸命に教えてくれた人で、“腹黒キャラ”とは正反対の優しくも、厳しい人だった。島田陽子さん、渡辺徹さんら思い出に残っている人も亡くなった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし