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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

いろいろやってパンサー向井は「どうしても人間が出る」好きなラジオに行き着いた

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「もう俺、『逆ニーチェ』だったんですよ」(向井慧/テレビ東京系「あちこちオードリー」12月31日放送)

 ◇  ◇  ◇

 いまや5本のラジオ・音声配信のレギュラーを持つ新しい「ラジオスター」となったパンサーの向井慧(37)。そんな充実の活躍をしている彼だが、相方の尾形貴弘がMCを務めた番組がギャラクシー賞を受賞したことを素直に喜べず、落ち込んでいた。そんなとき、ニーチェの本に幸せを感じる方法が書かれていたのを読むと「自分のことを大したことないと思わない」「周りの評価を気にしてはいけない」「反省なんかするべきではない、ましてや日記なんかつけるな」と自分はまったく逆のことをしていた。そんな自らを表した一言が今週の言葉だ。

 向井は一見爽やかそうに見えるが、下積み時代から彼を可愛がっている先輩の又吉直樹はエッセー集「東京百景」(ワニブックス.2013年8月26日発売)で「内面は自意識と格闘する高校二年生の男子のよう」と形容している。その通り、実は劣等感に満ちた男だ。

 そんな向井は、ラジオが異常に好きだった。散らかった部屋の中央にピカピカに磨かれた大きなラジオを置き、真夜中に一人で聴いていたという(同前)。大好きなラジオ局からオファーが来たのは7年前。地元・名古屋のCBCから野球中継のない時期限定で番組を任されたのだ。

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