著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

高橋幸宏さん逝去 われらが世代のヒーローだったことを痛感する

公開日: 更新日:

 スタジオジブリ発行の小冊子『熱風』をご存じだろうか。その最新号(1月号)で、ぼくはジャーナリスト青木理の連載対談「日本人と戦後70年」に招かれた。ぼくより一学年上の青木さんは、対談が始まるや自分がポップミュージックに疎いことを告白。ふたりの接点を見出すのは困難かと思われたが、意外や共通の原体験はあっさり見つかった。

 それはふたつあった。本多勝一の著作と、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の音楽。ただ「本多勝一世代」と呼ばれると、今ぼくは正直いささかの抵抗を覚える。一方「YMO世代」という呼び名には、青木さんもぼくも否定する理由がない。まるで毛細血管のように人生の微細な場所にまで入り込むのが、ポップミュージックのレゾンデートル。あるいはこれが同世代ということか。

『熱風』が発行された翌日の1月11日、YMOのドラマー高橋幸宏さんが逝去された。享年70。同じ音楽業界にいても個人的な付き合いはまったくなかったが、喪失感は日ごと大きくなるばかり。われらが世代のヒーローだったことを痛感している。


 ユキヒロさん(と普段通り呼ばせていただく)はいくつかのバンドやユニット、またソロ活動でも知られたが、名声を決定づけたのはやはり細野晴臣、坂本龍一とのYMOだろう。1980年、米国の人気テレビ番組『ソウルトレイン』に日本人として初出演したYMOが披露した「タイトゥン・アップ」に顕著だが、彼のドラムと細野さんのベースが生みだす強力なグルーブは、この国のポップミュージックのひとつの頂点だった。90年代、当時NHK-BSで放映していた同番組に関わっていたぼくは、LAでの収録に何回か足を運んだ。スタジオで現地の古参スタッフから「YMOは今どうしてる?」と訊かれるたび、どこか誇らしく感じたものだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  4. 4

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 5

    日テレが「news LOG」和久田麻由子を全面バックアップできない切実事情…佐藤栞里や有働由美子との決定差

  1. 6

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 7

    椎名林檎と成田悠輔氏の親密デート発覚!「異色の超ビッグカップル」誕生も「いわくつき」と見られるワケ

  3. 8

    【5.独走態勢】「ミッドナイトフライト」「夜間飛行」が候補だったが、明菜が「北ウイング」を提案した

  4. 9

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  5. 10

    元ボクシング世界王者・薬師寺保栄が妻に無断でレースQの愛人を「養女」に…妻が明かした苦しい胸中

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ