桧山珠美
著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

NHK朝ドラ「らんまん」神木隆之介演じる槙野万太郎が「さかなクン」に見えてきた

公開日: 更新日:

緻密な長田育恵の脚本

 テレビ東京系「TVチャンピオン」の「第3回全国魚通選手権」で我々の前に突如現れたさかなクン。小学校時代からお魚ひとすじ。東京水産大学(現在の東京海洋大学)を受験もかなわず。現在、その東京海洋大学の客員教授というから痛快だ。絶滅危惧種「クニマス」の生存を発見し、当時の天皇も「さかなクン」に一目おいていた。万太郎も植物への情熱であらゆることを突破してきた。なんといっても「好きなことをやる」のが最強だ。

 土佐編は坂本龍馬やジョン万次郎ら歴史上の人物と絡めていた。

 彼らが万太郎の人生に影響を与えていくのはドラマのオリジナルだろうが、時に大胆に、時に虫の目で見たように緻密に描く長田育恵の脚本も光る。

 あいみょんの歌う主題歌「愛の花」と、登場人物の心情や状況に合わせ、ドラマに一層の効果を与えている阿部海太郎の劇伴も素晴らしい。

 土佐編の松坂慶子佐久間由衣、東京編の十徳長屋の人たち。田邊教授の要潤を筆頭に助教授徳永の田中哲司、講師大窪の今野浩喜らキャラ満載。浜辺がこんなに和髪が似合うとは思わなかったし、神木くんと並ぶとお人形さんのようで好感がもてる。

 こういう朝ドラが見たかった。朝ドラが面白いと一日の始まりが楽しくていい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  3. 3
    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

  4. 4
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 5
    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

  1. 6
    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

  2. 7
    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

  3. 8
    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

  4. 9
    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

  5. 10
    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる

    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる