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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

映画で理解するパレスチナ問題(後編)ユダヤ人とパレスチナ人は分かり合えないのか

公開日: 更新日:

 そのガザを実効支配するようになったのがハマス(イスラム抵抗運動)だ。イスラエルに対する攻撃を度々展開し、日本や欧米諸国はテロ組織として認定している。ハマスによる「テロ」を防ぐイスラエル諜報機関の死闘を描くのがNetflixドラマ「ファウダ-報復の連鎖-」(15~23年)だ。アラビア語を話せるユダヤ人兵士から構成されるイスラエル国防軍対テロ部隊が主人公の連続ドラマで、ハリウッド映画でありがちなテロリストを「人格のない怪物」として扱うのではなく、パレスチナ側登場人物の心理と人間関係をも細かに描写して人気を博し、シーズン4まで製作されている。

 これに対して「パレスチナ映画」の白眉は、パレスチナ系オランダ人ハニ・アブ・アサド監督の「パラダイス・ナウ」(05年)だろう。ヨルダン川西岸に住む若者(カイス・ナシェフ)が自爆テロを決行するまでの2日間を驚くべき緊迫感を持って描き切り、ゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞を受賞した。青い海と白い高層ビルが映える都市テルアビブと、泥にまみれた茶色のパレスチナの対比が物悲しい。瞳で語るカイス・ナシェフの名演は必見だが、現在日本では動画配信はされておらず、DVDを入手する必要がある。

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