潜伏50年の桐島聡と週刊誌記者の「点と線」…1970年代の編集部はすごかった!

公開日: 更新日:

 死者8人、負傷380人。史上まれにみる凶悪なテロ事件。翌日出された犯行声明には「東アジア反日武装戦線“狼”」とあった。

 70年安保闘争や多くの大学を舞台に繰り広げられた学生運動が「東大安田講堂陥落」を機に下火になり、空虚感が漂う中、少数の過激派たちが爆破事件や凄惨な内ゲバ、あさま山荘事件を起こしていった。

 当時、新聞、テレビ、週刊誌が過激派の取材合戦を繰り広げていたが、私は週刊現代の情報量や取材力は新聞をしのいでいたのではないかと思っている。

 その理由は、現代にいた記者たちの多様性にあった。

 私は学生時代のほとんどをバーテンダーとして“就職”していたから、学生運動とは無縁だったが、現代のフリーの記者たちの多くは、安保闘争や大学紛争の中で名をはせ、逮捕されたり、大学を退学させられた人間たちであった。

 優秀だが仕事にあぶれていた彼らは、履歴書はもちろん、実名かどうかさえ問わず、何の実績がなくても明日からすぐ仕事ができ、カネ払いもよかった週刊誌記者に雪崩を打って入り込んできた。さながら元過激派たちの「梁山泊」の様相を呈していたのである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」