原油より過熱する「LNG世界争奪マネーゲーム」の行方 “円安”日本は惨敗必至でインフレ地獄まっしぐら

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 イラン情勢の混迷で、液化天然ガス(LNG)の調達にも懸念が強まっている。日本の年間輸入量に占める中東産は1割ほど。中東からの輸入が約9割と、より依存度の高い原油ばかり注目されがちだが、価格の上昇はLNGの方が激しい。

■スポット価格は2.4倍に

 原油価格の指標となるWTI原油先物は一時1バレル=77ドル台後半をつけた。情勢緊迫前の先週末からの上昇率は15%前後だが、この間、アジアのLNGスポット価格指標は一時2.4倍まで急騰。爆上がりの主な理由は、米国に次ぐ世界2位の輸出国カタールが生産停止に追い込まれたこと。操業中の施設がイランのドローン攻撃を受け、中東からの海上輸送の要衝ホルムズ海峡も事実上封鎖されたためである。

 カタール産LNGの世界シェアは約2割。残る生産大国の米国と豪州には、その穴埋めの余裕はないとみられる。市場は「争奪戦」の激化を見越し、LNG価格が猛烈に跳ね上がっているのだ。

 LNGは火力発電の燃料や都市ガスの原料に使われる。爆騰が続けば、電力・ガス会社の仕入れコストを押し上げ、家庭や産業向けの電気・ガス料金の値上げ圧力となる。また、LNGはマイナス162度の超低温液体で長期保管が難しい。備蓄も国の制度はなく、民間の在庫頼み。その量は現在、国内消費量の3週間分しかなく、官民合わせて計254日分の石油に比べると極端に少ないのが実情だ。

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