日曜劇場「アンチヒーロー」ロケ地の新橋が話題! 酔いどれサラリーマンの街が“新たな聖地”に?

公開日: 更新日:

酔っ払いサラリーマンだけじゃない?

 ネット上には、ロケ地をまとめたサイトも登場しており、確かに新橋や虎ノ門付近でのロケが多いことが見て取れる。

 TVコラムニストの桧山珠美氏はこう話す。

「新橋といえば、テレビの街頭インタビューでも、SL広場で赤ら顔のサラリーマンが危ういろれつで答えているのが定番ですが、お父サンたちにとって、こうした形で新橋が日の目を見るのは、親しみも感じられて面白いのではないでしょうか。私もタヌキのお腹をなでてみたくなりました(笑)」

 さらにドラマが盛り上がれば、「聖地巡礼」として、若い視聴者が新橋を訪れるかもしれない。

■小田急線は乗降人数が32.2%増加

「聖地巡礼」といえば、大ヒットとなった2022年の秋ドラマ「silent」(フジテレビ系)で、主人公の紬(川口春奈)が、想(目黒蓮)と再会した世田谷代田駅などが話題になったこともあった。さらに「silent」は、多くのシーンが小田急線の東北沢駅~世田谷代田駅間の「下北線路街」で撮影されていたことから、その地区にある駅やカフェなどが話題となり、ドラマに胸キュンした女性たちが大挙して訪れた。

 最終回を迎えた12月には、ドラマ放送開始前の9月と比べ、小田急線の1日平均乗降人員(定期外)が32.2%も増加した(小田急電鉄による)と報じられている。小田急側も「『silent』ロケ地MAP」を作成し、無料配布するなど盛り上がりに余念がなかったようだ。桧山氏が続ける。

「『聖地巡礼』は、もともとアニメの世界から始まっていると思いますが、『東京ラブストーリー』のカンチとリカの名シーンはどこだとか、昔からドラマのロケ地を探すことは行われていました。しかし今は、『グーグルマップ』の発達やSNSの浸透でロケ地はすぐ判明するようになっています。反対に『聖地巡礼』を町おこしなどに利用する例も増えてきました」

 確かに近年、聖地巡礼は「コンテンツツーリズム」などとも呼ばれ、学会が設立されたり、地域活性化の文脈においても注目されている。架空の場所の設定でない限り、駅名や店名などの固有名詞をハッキリ映し出すことも珍しくなくなっている。

「『アンチヒーロー』ではさらに、フジパンとタイアップして劇中で出てくるパンを販売したり、『VIVANT』のときも『別班饅頭』というのがありましたが、今回もすでに『アンチヒーロー饅頭』が出てました。商魂たくましいというか、完全に味を占めちゃってる感じですね(笑)」(桧山氏)

 ドラマの盛り上がりと同時に、酔っぱらいのサラリーマンであふれる“お父サンの聖地”は、ドラマを見た若いファンが大挙して訪れる、新たな「聖地」になるかもしれない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」