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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

テレビはもはやメシハラ媒体だ…まともなのはNHK「サラメシ」とテレ朝「食彩の王国」だけか

公開日: 更新日:

お気に入りは「あの人が愛した昼メシ」

 一周回ってどころか何十周も回って結局、見ているのはNHK「サラメシ」とテレ朝系「食彩の王国」くらいかも。中井貴一のハイテンションなナレーションが楽しい「サラメシ」は働く人たちの昼ごはんが見られるのも楽しいが、お気に入りは「あの人が愛した昼メシ」。昼メシを通して故人を偲ぶもので、先週は昨年亡くなった劇団民藝代表だった奈良岡朋子で、舞台前にかんぴょう巻きをひとつまみするのが原動力だったうんぬん。

「アホの坂田」こと坂田利夫の愛した喫茶店のオムライスや坂本龍一のクロワッサンなど、在りし日の姿が目に浮かぶ。

「食彩の王国」も四季折々の旬の食材をテーマに豊かな食文化の世界を広げてくれる。薬師丸ひろ子のナレーションも品があって、癒やしボイスが土曜の朝にぴったり。気が向けば紹介されたレシピをもとに料理を再現する楽しみもある。

 結局のところ、食べ番組を疎ましく思うのは料理人に対するリスペクトや食に対する文化や歴史などに興味を示さず、我先に話題の料理を食べたがる卑しさが見てとれるから。品のない番組ばかりやるから国民もどんどん下品になっていくような気がしてならない。

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