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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

テレビはもはやメシハラ媒体だ…まともなのはNHK「サラメシ」とテレ朝「食彩の王国」だけか

公開日: 更新日:

 18日放送のテレビ朝日系「家事ヤロウ!!!」は黒柳徹子(90)をゲストに迎えて「黒柳徹子 人生のベストテンレシピ」を紹介していた。徹子がこれまで出合った忘れられない絶品と、それにまつわるエピソードを語るもので、それ自体興味深いが、驚いたのは90歳にしていまだ衰えぬ食欲。出てきた料理にはがっつき、出てこないと「何も出ないの!?」と残念がる。スタッフが料理を片付けようとすると、下げられる前に食べようと必死なところもチャーミングだ。

 だが、徹子の食欲が旺盛なのは結構として、テレビが相変わらず食べ番組ばっかり。他にやることがないのか。これはもはや「メシハラ」だ。

 今春もタレントが海外で食べまくる「世界頂グルメ」(日本テレビ系)やその町の最高の一品を探す「街グルメをマジ探索!かまいまち」(フジテレビ系)やらが始まった。

 また、15日の「有吉くんの正直さんぽ」(フジ系)では参宮橋を巡ったが、これは有吉がリクエストしたもの。「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレ朝系)で紹介された鰻の店がおいしそうなので「有吉さんぽ」のスタッフに働きかけ、訪問が実現したとか。予約がとれない店をタレントパワーでいい思いをするのを見せられるのは、あまり気分のいいものではない。

 有吉だけではない。多くの食べ番組は新規オープンの店や話題の店、行列のできる店にタレントたちが行って食べて「おいしい~!」で終了。視聴者はそれを見せられているだけ。誰得? という話。テレビ大丈夫か? と本気で心配になる。

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