俳優・三浦浩一さん「カンヌ映画祭のレッドカーペットを歩きたい」

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三浦浩一さん(俳優/70歳)

 一世を風靡したミュージカル劇団「東京キッドブラザース」で柴田恭兵らと活躍した三浦浩一さん。池波正太郎原作の「鬼平犯科帳」での密偵の伊三次役は知る人ぞ知る。死ぬまでにやりたいことはカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩くこと。

■岐阜の名画座に入り浸りスクリーンの世界に憧れた

 映画の世界に憧れて俳優になろうと思ったのは中学時代です。当時岐阜にいて岐阜駅近くの名画座に入り浸っていました。ジェームズ・ディーン「エデンの東」「理由なき反抗」とか「ウエスト・サイド・ストーリー」「風と共に去りぬ」といった名作を見て育ちました。映画、スクリーンへの憧れはその頃から。映画俳優になろうと決めました。

 進学したのは日大芸術学部です。でも、日芸を出たからといって俳優になれるわけじゃないとわかったし、大きかったのは2年の時に母親が亡くなったことです。亡くなるベッドの上で母親の手を握って最後のお別れをして、「絶対に俳優になる」と約束しました。俳優になろうと本気でしたね。大学には退学届を出しました。

 それからはアルバイトしながら俳優の養成所を転々とする日々です。そんな時に見つけたのが毎日新聞の夕刊に載っていた東京キッドブラザースのオーディションの小さな記事。その時に思い出したんです、中学か高校の時に見た東京キッドの記事を。オフ・オフ・ブロードウェーで「GOLDEN BAT」というミュージカルを大ヒットさせたというニューヨーク・タイムズの記事を読んで「すげーな」と思ったことがあったんです。

 僕が通っていたのは養成所といってもお金だけ踏んだくるようなところが多くて、入ってはやめるの繰り返し。このままじゃ俳優になんかなれない。そう諦めかけていたところに、救いの神が現れた感じ。あの記事がなかったら今の僕はないと思っています。

 東京キッドは東由多加率いるミュージカル劇団です。オーディションを受けたら合格。でも、映画俳優を目指してミュージカル俳優になるなんて思ってもなかったから、まさかでしたね。

 東京キッドの看板俳優の柴田恭兵さんは2年先輩。いろんなことを教わりました。最初の作品は「黄色いリボン パート2」。まだペーペーだから、ポスターの一番上には客演の純アリス、2番目に柴田さんの名前が大きくあり、僕はといえば下に小さな字で名前が載っている程度でした。

 東京キッドは柴田さんがドラマに出るようになってからは中高生の女の子たちに人気になり、劇場がすし詰め状態になるくらいすごかった。テレビのプロデューサーとか監督がキッドの芝居を見に来るようになり、そのうちNHKの人も大勢見に来たりしてね。

 僕もいろんな作品をやるようになり、少しずついい役をいただくようになり、ドラマにも出るようになった。柴田さんも僕も忙しくなって舞台はダブルキャスト。役柄としては柴田さんはヒーロー、僕はアウトローで柴田さんに突っかかる役どころが多かったですね。

 そうこうしているうち「風神の門」(1980年、NHK)の主役、霧隠才蔵を三浦浩一でということになった。全国的に名前が知られるようになったのは「風神の門」のおかげです。柴田さんは代表作の「あぶない刑事」シリーズで後に大ヒットを飛ばしますが、僕も負けられないという気持ちで頑張りました。もし「風神の門」がなかったら僕は今ごろどこかに消えていたと思います。いつもギリギリ、すれすれのところを綱渡りで生きてきた気がします。

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