フジテレビ系の冬ドラマ「警察もの」2本はありえないお話しすぎてズッコケの連続

公開日: 更新日:

フジテレビはなぜ奇をてらう?

 もっとありえねえ~のが「秘密~THE TOP SECRET~」(月曜夜10時)だ。

 遺体の脳をMRIにかけて、生前に見ていた光景を再現する技術を持つ科学警察研究所の研究員(板垣李光人)が、その映像から犯人を割り出す。もちろんそんなことは科学的に不可能。

 第1話で被害者の愛犬の脳をスキャンして、「犯人がわかった!」なんて、もうズッコケである。

 昨年の秋ドラマ「嘘解きレトリック」は、人のウソを見抜く、やはり特殊能力を持つ探偵助手が主人公だった。フジテレビはなぜ奇をてらった刑事・探偵のドラマを作りたがるのか。

「ネタ切れと予算カットのためですよ。かつては古畑任三郎や西村京太郎シリーズのような傑作があったのですが、リアルで複雑な謎解きの正統派ドラマを制作しようとすると、ロケも多くなるし、脚本の下調べも入念にやらなくてはならない。手間もカネもかかります。でも、主人公を“特殊能力”にすれば、ストーリーのつじつまが合わなくても、最後は“マジック”で強引に結末にもっていけます。短時間で安く作れるんです」(ベテラン放送作家)

 とくにバラエティー畑出身の港浩一社長になってから、ドラマの本数は増えたが、月曜9時の「月9」以外は軽視されてきたという。その港社長は引責辞任したが、フジのドラマ再生の道は険しい。

(コラムニスト・海原かみな)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が