フリーアナ上重聡さんが振り返る 松坂大輔と投げ合った夏の甲子園準々決勝「横浜vsPL学園」名勝負

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立教に進学して史上3人しかいない「完全試合」達成

 ──ドラフトの誘いもあったが、進学を選び、立教大学では六大学野球100年の歴史で3人しかいない完全試合を達成しました。

 松坂と投げ合った男になれたことが自信になると同時に、プレッシャーにもなってしまい、「プロは松坂のような人が行くところ」とプロは諦め進学を決めたんです。大学1年ではプレッシャーからイップスになりました。どうにか克服して完全試合をやり、「俺はプロに行ける!」と思い直したら、今度は「完全試合した男」がプレッシャーになりました。2度目のプレッシャーを克服するにはさらなるパワーが必要でしたが、僕にはその力がなく「自分にはプロに行く力が足りない」と断念。そして、日本テレビを受けましたが、心のどこかに野球を断ち切れない気持ちがありました。

 初めて巨人の取材に行って、ブルペンで上原浩治さんの投球を見た時、すごいスピードとキレに度肝を抜かれました。「やっぱり自分が来るべき世界ではなかったんだ」とはっきりわかった瞬間でしたね。

 ──長年勤めた局を退社後はその上原さんの人気ユーチューブでMCに。

 ユーチューブにゲストで呼ばれた時期に、MCを務めていた日テレの後輩、上田まりえさんが辞めるタイミングで、野球経験者で松坂世代の僕が後任になりました。実は高3の時に巨人から「ドラフト指名に興味ありますか」という進路調査書がきていたんです。もし提出していてドラフトで下位でも指名していただけていたら、当時、大卒の上原さんと同期入団となっていたんです。ですから、不思議な縁を感じます。

 ──松坂さんとも縁が続いているようですね。

 松坂とは高校の代表チームの時に1カ月を同室で過ごして仲よくなり、西武と立教が埼玉にあるので、よく会っていました。もう27年くらいの仲です。上原さんのユーチューブにもゲストで来てくれます。すべては野球が結びつけてくれた縁ですから、今後は野球に恩返ししたい。この前、松坂と一緒に子供の野球教室に行ったのですが、そういう活動をどんどんやりたい。松坂の提案で98年の横浜とPLのメンバーで集まって何かやろうという話もしています。こちらは野球かゴルフかはわかりませんが(笑)。 (聞き手=松野大介)

▽上重聡(かみしげ・さとし)1980年5月、大阪府出身。2003年から日本テレビのアナウンサー。24年に退社しフリーに。登録者100万人超のYouTube「上原浩治の雑談魂」MCなど。

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