「国宝級イケメン」のレッテルを国宝級演技で払拭 吉沢亮はストイックな芝居バカ
同じインタビューで自分が思うイケメン像を聞かれ「ストイックな人」と答えている。そのときは「僕はストイックさゼロなので(笑)」(同前)とも語っていたが、いまや業界を代表するストイックな俳優となった。
親友・北村匠海は、「彼はもう芝居に生き、芝居に死ぬ人でしょうから。僕が知りうる中で一番芝居バカ」(「日曜日の初耳学」=前出)と評している。また北村は、吉沢がイケメンという評価に「あぐらをかかない仕事の選び方」をしていると言う。実際、彼は冒頭の番組でも「人間の内側のドロドロしたものを生々しく描く」作風に憧れ、李相日監督の映画「怒り」のオーディションを受けたことを明かしている。その選考には落ちたが、それから10年、NHK朝ドラや大河ドラマなどで研鑽を重ね、ついに同監督の「国宝」での主演にたどり着いたのだ。
「やればやるほど、自分に足りないものに気づく。先が見えなくて、絶望の繰り返し」(「Web éclat」25年6月29日)だったという1年半に及ぶ歌舞伎の稽古を経て、見事に演じきった。「国宝級イケメン」という“レッテル”を、そのストイックさで払拭し、国宝級の演技を見せつけたのだ。