フジテレビ「復活の条件」とは…スポンサー復帰の見通しと注目すべき今後【特別寄稿 岡田五知信】

公開日: 更新日:

「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却

 さらに注目すべきは、2024年7月にTVer・FODのAVOD(広告付き無料配信)が、民放局初となる月間「1億」再生を突破したことだ。これは、現在の地上波視聴率こそ苦戦しているものの、フジテレビが長年にわたって構築してきた番組制作力とサプライチェーンが健全に機能していることを証明している。多くのスポンサーも、長期的に見れば今回の中居問題によって出稿を止めることは企業にとってマイナスになると、冷静に判断しているのだ。

 こうした中、フジテレビは社是とも言われた「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却を宣言した。編成バラエティー部門を解体し、再編すると発表した。加えて、タレントありきの番組企画採用を見直すことを明言した。「中居問題」の根底には、近すぎるタレントとの距離や癒着があることは明白だからだ。他局からすれば「今さら感」もある話かもしれないが、2012年から番組制作体制が旧態依然のままで、馴れ合い状態が続いていた同局にしてみれば、これこそが「身を切る」宣言であることはうかがえる。これを現実のものにできるかが今後の復活の条件となるだろう。

 フジテレビは、再び視聴者の信頼を取り戻すことができるのか。過去の過ちを真摯に受け止め、強みであるコンテンツ力を最大限に生かして復活に懸けるフジテレビの動向に注目が集まる。

▽岡田五知信(おかだ・さちのぶ) 大和大学社会学部社会学科教授。日本テレビ放送網㈱コンテンツ戦略本部コンテンツ戦略局総合編成センター戦略Div.番組プロデューサーを経て現職。専門はコンテンツビジネス、メディア産業、放送ジャーナリズム、韓国コンテンツなど。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ホワイトソックス村上宗隆が「ゴミのような時間の本塁打」を量産する根拠

  2. 2

    全国模試1位の長男が中学受験、結果は…“ゲッツ‼”ダンディ坂野さんに聞いた 子への接し方、協力の仕方

  3. 3

    筑波大学の2次募集が受験生と業界で話題 「欠員1人」わざわざ補充のナゼ…どんな人が合格する?

  4. 4

    前田敦子“アンダーヘア透け疑惑”写真集が絶好調! トップ張った元アイドルの生き様を女性が強く支持

  5. 5

    鈴木農相「おこめ券 評価された」は大ウソ…配布したのは全国約1700自治体中たったの「29」

  1. 6

    「アッコにおまかせ!」最終回によぎる不安…準レギュラー陣全員で和田アキ子を支え迎えるフィナーレ

  2. 7

    大阪・和泉市の制度改革「初任給日本一」が生んだ3つの相乗効果 採用試験は競争率が約50倍に

  3. 8

    Wソックス村上宗隆にメジャーOB&米メディアが衝撃予想 「1年目にいきなり放出」の信憑性

  4. 9

    セクハラ寸前でも拍手喝采!R-1準優勝ドンデコルテ渡辺銀次の“業界評価”急上昇で「中年のカリスマ」となるか?

  5. 10

    広瀬アリス“炎上投稿”で赤西仁との結婚は「最終局面」へ “推しの結婚は全力で喜ぶべき”と持論展開