「組長刑事」南英男著
「組長刑事」南英男著
警視庁捜査1課の刑事だった羽賀は、殺人事件の捜査中に罠にはめられ、スリ係に降格。
ある日、逮捕したベテランのスリ・家弓の所持品を調べると、見覚えのある黒漆塗りのライターが出てくる。そのライターは、数カ月前に地下鉄のエスカレーターから転落死した亡き父に羽賀がプレゼントした特注品だった。父の死は事故死として処理されたが、いつも持ち歩いていたこのライターと運転免許証は所持品の中に見当たらなかったのだ。父の死に疑問を抱いた羽賀が調べると、家弓にライターを渡したのは暴力団から利益供与を受け3年前に懲戒免職となった元刑事の片野だった。
鳶職人を束ねる「羽賀組」の跡取り息子ゆえに組長刑事と呼ばれる羽賀を主人公に描く警察小説シリーズ第1弾。 (実業之日本社 924円)