(3)殺虫剤が効かない“新種”も出現…ウイルス媒介の蚊の生息域拡大

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 人類を最も多く殺した昆虫である蚊も、温暖化の影響により生息域を急速に広げている。デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、ウエストナイル熱などを媒介するヒトスジシマカは日本にも生息し、2014年に東京・代々木公園で発生したデング熱の流行でも媒介蚊だった。

 日本におけるこの蚊の北限は1950年で栃木県北部だったが、00年には岩手県南部までと400キロ北上。15年には青森県に達して本州全域の分布が確認された。20年にはついに北海道南部でも確認された。

 一方、ネッタイシマカは、寒さに弱く日本では越冬できないため、いまは日本国内での定住は確認されていない。ただし、12年に成田国際空港で幼虫が初確認され、その後、全国の空港施設内で相次いで発見されている。

 この蚊が媒介する感染症はほぼヒトスジシマカと同じで、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、黄熱などだが、大きな違いは人のみを吸血対象とする点。そのためウイルスを効率よく人から人へ広げる能力にたけていて、生息場所も人家周辺ということもあり、感染症流行地での検出率が高い。

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