「大江戸春画ウォーズ UTAMARO伝」山本暎一著

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「大江戸春画ウォーズ UTAMARO伝」山本暎一著

 安永5(1776)年5月、狩野派の画家・鳥山石燕の息子・勇助(後の喜多川歌麿)は、長崎から将軍に拝礼にきたオランダ商館の医師と面会。拡大鏡を譲ってもらう。浮世絵師として歩み始めた勇助だが、父からは幕府の御用絵師の表絵師を目指すよう諭される。しかし、表絵師は狩野家の血を引くものだけがつける地位であり、勇助は自らの出自に疑問を抱く。

 自由に絵を描くため家を出て兄弟子の燕十の家に転がり込んだ勇助は、筆おろしをしてもらった遊女のうずみと恋仲になる。うずみの元に通う中、ある満月の夜の帰り道、不忍池の横を通りかかると、水面から首や腕のない武者が出現。しかし、あの拡大鏡をかざすと彼らはなぜか消えていく。

 歌麿の青春時代を描く長編時代エンタメ。 (新潮社 935円)

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